悔しいのだ、、、。
草木も眠る丑三つ刻。しょぼい親父がワンズを連れて向かった先は、、、、。
近所の居酒屋。そう、親父は落ち込んでいるのだ。カウンターに腰を下ろし『ビールを、みんなも飲んで』。
心なしか目が潤んでみえる。
一口飲んで立ち上がり居酒屋が用意したワンズ用の水入れに水を張って足元に置く。
ワンズのピチャピチャという音と顔馴染みの唄を聴きながらビールを煽り振舞われた肴を突つく。
続々と入るお客様にワンズ連れの詫びを入れながら飲む。
『冷酒ありますか?』
『ラスト1本ありますよ』
『ではそれを』
飲んでるとウチの元チーフバーテンダーが仕事を終えて彼女と現れた。
『お疲れ様です!今日は意外と静かでした。明日から頑張ります』と言いながら酌をする。
ありがとう、と酌を受けグビリと飲む。
周りを見るとみんな笑顔だ、オイラ一人しかめっ面じゃ申し訳ねぇ。
もう一口飲む。何だか元気が出てきた。やれそうな気がしてきた。うん、やれる、やるしかねぇ。
勘定を済ませ皆の見送りを背中に受けて部屋に戻る。
明日の行動を考えながら眠りに落ちる。
お酒の素晴らしさを改めて実感した一日であった。
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